CLO研究室(経営✖️法務)

企業で働く弁護士の学習ノート

法務パーソンもブランディング(読書メモ)

 元USJの有名なマーケター・森岡毅さんが娘さんへのキャリア・アドバイスをまとめた本。

 成果をあげるために自分を会社や顧客にどう売り込んでいくべきかということを分かりやすくまとめている。マーケティングとかブランディングとか苦手なので本は色々と読んでるけど、今までで一番良い。

 書かれているノウハウは大きく分けると2つ。

 1つは「自分の強みの見つけ方」、もう1つは「その強みを活かして、顧客に選ばれるためのブランディング」

 サラリーマンであれば、「顧客」を「会社の権力者」に読み替えて、社内外でサバイバルするためのノウハウを学べば良い。

自分の強みの見つけ方

 このタイプの本は書いてあることを実際に行動に移すことにハードルがあり、読んでおしまいになってしまいがち。

 その点、本書は読者のTo Do が明確でよい。実際に本に沿ってワークをやってみて多くの手がかりを得た。

 たとえば、自分の強みの見つけ方としては「社会との関わりで気持ちよかった文脈」を「動詞で」書き出すことが薦められている。手をつけやすい。

すなわち”強み”を見つける最大の近道は、社会との関わりで気持ちよかった文脈をどんどん列挙することだ。(中略)という訳で、いままで自分が好きだった「~すること」を実際に書き出してみよう。バッグが好きだとか、ナイフが好きだとか、そういう「名詞」はいらない。必要なのは「動詞」だ。

 なお、その書き出した動詞をT(thinking)、C(communication)、L(leadership) に分類してみると、自分の強みや弱みが浮き上がってくる。私の場合はリーダーシップに強みがあるが、コミュニケーションに弱みがあることがわかった。

ブランディング

 ブランドは、顧客が持って欲しいイメージを設計し、そのイメージにあわせて一貫的に行動することで作られる。

 そのイメージと、顧客が選ぶ決め手が一致すると、成果につながる。

 たとえば、トヨタでいうと「壊れにくい卓越した信頼性」というイメージが浮かび、その価値を大事だと思う人が買う。トヨタが壊れにくさや品質の安全性を追求する行動を一貫すると、そのブランドが強くなっていく。

 強みを活かしたブランド設定→行動の一貫性→ブランド強化、という順番で取り組むものらしい。実にわかりやすい。

まとめ

 、、という話が大部分なんだが、本のタイトルはマーケティングでもブランディングでもなく、「苦しかったときの話をしようか」である。

 森岡さんがこの本でおそらく一番伝えたかったメッセージは、どんな状況下でも結果を出すことの重要性だろう。マッチョな本である。

 才能があるだけでは結果がでないこともある。でもそんなとき、嫌われてもいいので、なりふり構わず、強みに一点集中して、執念を燃やして結果を取りにいけ、ということを言いたかったんだと思う。

 「結果出さないと誰も守れない」というのは個人的にかなり響きました。

 森岡さんの「刀」は最近いろいろネタにされてるけど、この本はとても良いです。