法務パーソンの学習帳

Be the lawyer-statesman. CLOを目指す企業内弁護士のブログ

外国人部下と接する際の落とし穴

 ここ半年ほど、チームのタイ人スタッフ(部下)が立て続けに退職してしまいました。

 知らず知らずのうちに、外国人の部下と働く際の落とし穴にハマってしまっていたような気がします。

1)「日本だとあり得ない」は厳禁

 部下が外国人だとどうしてもストレスがたまります。

 お互い母国語ではない英語でコミュニケーションしてるので、言いたいことが上手く伝わっている保証がありません。そのせいか、何度注意しても同じミスが繰り返されたりします。

 また、国民性による強み・弱みがどうしてもあります。たとえば日本人は一般的に責任感は高く、勤勉なのが強み。タイ人は気持ちに寄り添って高い共感力を発揮するのが強み、など。

 お互いの長所にフォーカスできれば良いのだけれど、人間の性としてどうしても悪いところが目についてしまう。

 「日本だとあり得ない」って思ってしまったことが何度もありました。ストレスがたまってくると、そういうネガティブな感情がついつい表に出てしまい、部下を萎縮させてしまっていたんではないかと思います。

 海外で働くうえでこの「日本だとあり得ない」という考えになってしまうと、現地でフィットしないと思います。タイ人・日本人それぞれの強み・弱みを尊重するマネジメントを意識していればこのような言葉は出てきません。

 もちろん、人間なのでストレスがたまり部下にネガティブな感情をもってしまうこともあるでしょう。しかし、ネガティブな感情を表に出さない工夫は必要です。怒り、失望などを感じたら、感情がおさまるまでは発言しないというルールを自分に課したいと思います。

 マネージャーは職位が高くなればなるほど、怒り・失望などのネガティブな感情をそのままの形で表に出してはいけないと思います。部下が萎縮してしまって、居心地が悪くなります。

2)仕事に対する価値観も違う

 個人差あるものの、国によって仕事に対する価値観は変わります。

 多くのタイ人にとって仕事はプライベート/家族の世界の延長線上にあります。(日本人はプライベートと仕事の世界とを線引きする傾向があります。)

 タイ人にとって、仕事は大きな意味でのプライベートの一部です。こういう感覚の違いがあるので、タイ人と仕事するうえでは、プライベートにある程度踏み込み、まず人間関係をしっかり作ってから仕事をしたほうがスムーズです。ウェットなやり方が苦手なので、この点もうまくアジャストできてなかったように思います

 

 新しく採用したマネージャーには、入社して3か月は毎日16時にデスクにきてもらうよう、お願いしました。毎日16時から30分の時間を強制的にブロックし、仕事の話だけでなくプライベートの話や雑談を多くするようにしたのです。

 このオンボーディングはうまくいったと思います。本格的に仕事するまえに人間関係が構築でき、その後の仕事がスムーズに進んだような気がします。

3)まとめ 

 日本でもう少し人数が多いチームをマネジメントしていたので「海外でも問題なくできるだろう」とたかをくくってました。現実はそんな甘くなかったです。

 海外で働き、外国人部下をマネジメントすることは簡単ではありません。それなりに落とし穴があります。せっかく海外で仕事をしてるのだから、しっかり成果をあげるためにもスタッフと良い関係を築けるよう頑張ろうと思います。