法務パーソンの学習帳

Be the lawyer-statesman. CLOを目指す企業内弁護士のブログ

ホワイト法律事務所から企業内弁護士に転職した理由①

 自己紹介に続き、法律事務所から企業内弁護士に転身したきっかけについてもう少し詳しくご紹介します。企業内弁護士というキャリアに興味がある人のご参考になれば幸いです。

法律事務所での駆け出し時代

 弁護士登録後、就職した法律事務所は私をいれて弁護士が4人。アットホームで家庭的な雰囲気でした。仕事も忙しくなく、個人で仕事を受けるのも自由。まれにみるホワイト法律事務所でした。

 

 仕事のほとんどが、裁判や交渉でした。最初は怖かったけどすぐに慣れました。

 個人の仕事も順調でした。当時は弁護士もまだ多くなく、市役所とか弁護士会の相談会を担当すると、離婚とか相続とか破産とか刑事とか、そういった仕事をたくさん受任することができました。なんでも受けたので毎日夜中まで仕事する羽目になったものの、収入も貯金も順調に伸びていきました。

将来への不安

 一見順調な弁護士生活のなかでしたが、次第に自分の将来に不安を感じてきました。

 交渉や裁判の仕事はこなせるようになったけど、他の弁護士と比べて差別化できる要素がありません。いずれは行き詰るような気がしました。

 

 弁護士になって2年目、友人の紹介で初めての顧問先ができました。しかし、そこで自分の無力さを実感しました。

 頼まれて毎月の経営会議出席するものの、ろくなアドバイスが出来ない。あまりにも社会経験に乏しく、引き出しから何も出てきません。

 たまに発生する債権回収はうまく解決できるけど、ビジネスサイドに踏み込んだ相談になると歯がたちません。このままで良いのだろうか?と悩むようになりました。

自分の人生を変えた本との出会い

どうにも自分の将来の展望が見いだせない、そんなとき、ある本に出合いました。

 

 この本は「どうすればクライアントから選ばれるプロフェッショナルになれるのか」という分析をした本です。

 

 プロフェッショナルのなかには、クライアントと長期的な関係を気づき、信頼されるアドバイザーとして重宝されている人がいる。その一方で、汎用品のように扱われ単発的な仕事しか与えられない人もいる。その違いはどこにあるのか?を分析した本です。

 

 この本のなかでは、実在する様々なプロフェショナルが登場します。

 そのなかの一人にエリック・シルバーマンというニューヨークで働く弁護士がいます。ミルバンクという一流法律事務所で、エネルギー分野を専門に扱う弁護士です。

 

『シルバーマンや彼の事務所は、契約的な部分を担当するために依頼されるのであるが、彼の知識基盤はそれだけにとどまらなかった。この分野の企業そのもの、戦略、組織、エネルギー市場についてのエクスパートとなった。(選ばれるプロフェッショナル 43P)』

 

『彼らは次第に幅広いビジネスに関する助言を求めて、シルバーマンを活用するようになった。他の弁護士はクリアしなければいけない法律上の200項目といった障害ばかりを話したがる。シルバーマンが話すのは、可能性やほかの選択肢といったことで、制約についてではなかった。(選ばれるプロフェッショナル 43P)』

 

『クライアントを持つプロフェッショナルには、自身の専門領域より優先される「重要な仕事」があるのだ。「真にクライアントのためにすることをする」、これが何よりも優先される。クライアントの状況、文化、政治、業界をとりまく状況などを踏まえ、本当にクライアントになることを考え、アドバイスし、実行に移す。その文脈のなかで自身の専門性も発揮する (選ばれるプロフェッショナル 2P)』

 

 

 顧問先を前に何をアドバイスしていいかわからず右往左往している自分とずいぶん違います。今のままではだめだ、と思うようになりました

 

(続く)